これからの教育について 〜人と地球に優しい社会を〜

 

 

早いものでもう6月です。梅雨に入ってしまいました。4月に緊急事態宣言が出され、仕事、生活やスクールも「オンライン化」され、これまで「当たり前」だとしていた日常が変わり出しました。

 

オンライン化へ

正直言って、当初は苦肉の策ではあリました。2月にアメリカの大学で研究者として教鞭をとっている娘から連絡が入り、オンライン化を勧められました。急遽オンラインについて調べ、その有効性を確認した後、プログラムを「オンライン用」に作り直し、組織もオンライン用に変更しました。講師一同にオンラインレッスンの教鞭の取り方の研修をしました。これは、今後も定期的に続けていく予定です。通常ですと3−6ヶ月ぐらいかかってしまう作業ですが、大体1ヶ月ちょっとで、体制を作ることができました。これも一重に、皆様のご理解とご協力があって初めて、可能になったことだと思います。改めて、皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。

 

生徒さんたちの適応性を心配していましたが、蓋を開けてみると皆さん大変頑張ってくださり、順調に進んでいる様です。時折、ごく偶にですが、パソコンの不具合がある方もいらっしゃいました。その方たちのためのテクニカルサポートの体制も整わせていただいております。今ではほとんど問題もなく行われております。

 

オンライン化の現状

2ヶ月を過ぎてわかることですが、相対的に見て、オンライン上でもスムーズに言っている様な印象を受けます。そして、生徒さんやママたちの反応も結構いいです。進度もスムーズに行われおり、授業も真面目にご参加していただいている様で、全体的に良い成果をもたらしている様です。具体的には、出席率・宿題達成率の上昇(ほぼ完璧)。授業態度の改善。授業内容や進度状況の改善などです。お母様のお声としては、「送り迎えの時間がなく効率的」。「実際の授業が目の前で見られるので、安心。」「サポートももっとしやすい。」「安心して参加できる」「ちょっと体調を壊しても、気負いしないで参加できる」などありました。

 

スクールの基本方針「安心」「安全」「安定」「改善」

この不安定な世情の中、スクールとしては、その基本方針として、「安心」「安全」「安定」「改善」を考えております。現状、「オンライン化」では、様々な利点要素があり、予想以上の結果を出しています。今後改善すべきところがあれば、引き続き、随時改善していきたいとも思っております。

 

未来型デジタル社会構想への危惧

「オンライン化」について利点を多く掲げてきましたが、現在進行中である政府の提案している未来型デジタル化社会の構想は、危惧するところもあります。現在のところデジタル化の課題も沢山あるでしょう。

 

「コロナ騒動」の渦中に、国会では、未来型デジタル化社会構想として、「スーパーシティー法案」「ムーンショット計画」などを2日間で可決しました。現在の様なものではなく、社会全体の構造が完全にデジタル的に形成していくという構想です。表面的に見ると、デジタル化が進み便利な様にも見えますが、この極端なデジタル化への変更については、一部専門家から「安全性の脅威」の警告も出されています。「プライバシーがなくなり管理社会を作る危険性」「個人情報の漏洩危機」「人体チップスなどの推奨化の危険性」「5G導入の危険性」「電源やインターネットが止まった際、デジタル化の元では、仕事が動かなくなる可能性」など、いろいろ課題(問題)はあります。

 

未来型デジタル化導入の前提として、「安全性」があると思います。実現化には慎重になり、「安全性」を協議していく必要はあります。

 

アナログ的な要素を大切にしたデジタル化の方が理想的なのでは

未来型と違い、現在におけるデジタル化の状態は、まだまだアナログ的な要素の中に形成されつつあるものです。そこが、安心できるところでもあります。「テレワーク」、「オンライン授業」にすることで便利になり、随分効果的になったり、時間の節約になったりしている面もあると思います。私的には、今の感じでも十分なのではとも思っています。これ以上便利にして、どこを目指しているのかが、見えてきません。というのは、完全デジタル化した社会の弊害についても想定できるからです。

 

アナログ生活の大切さ

多くの方が、有事の中での生活を通して、「アナログ生活の大切さ」にも気づかれたのではないでしょうか。健康の大切さ、家族の絆、きれいになった地球環境、時間の余裕のある豊かな暮らし、家庭菜園や健康な料理など、あげたらきりがありません。

 

これまで、塾や勉強で忙しすぎて、公園で遊んでいる子供たちの姿を見ることはありませんでした。しかし、緊急事態宣言下で、多くの子供達が、時間に余裕ができたお陰で公園で遊んでいるのを見て、微笑ましい気持ちになりました。天気の良い日など、ご家族連れで、公園でピクニックをしている方々を多く見かける様になりました。普段会えないお父さんの存在に、子供たちも心が安定してきているのを感じました。あげたらキリがありません。

 

自粛期間に奇麗になった地球をみんな経験したはずです。空は青々とし植栽も健康的に茂っていました。花粉症でさえ、今年はとても少なかった様な感じです。この経験を大切にして、地球をもっと大切にした「アナログ」な生活、地球の自然と共存していくバランスのとれた生活も、デジラル化と同様これからは求められてくる様に思います。

 

 

「アナログ」を大切にした上での未来型デジタル生活の在り方

学校教育では、分野によっては、「オンライン化」の一部導入もありかと思います。それによってもっと必要なところに焦点を置き、効率的な時間での運営ができるという利点もあります。その為には、オンライン用のプログラム開発と教師の研修が前提となるでしょう。塾や習い事では、複数のスクールを遅い時間に梯子通学をさせられる不便さを考えると、分野によっては「オンライン化」を推進させ、自宅で必要な学習に絞ってした方が、遥かに効率的なところもあるかもしれません。

 

よくある質問の中に、「オンラインは無機質になってしまうのではないか」という見方もあります。確かに、オンラインで講師が一方的に大学の様な講義式のレッスンをした場合、テレビとあまり変わりなく味気のないものになります。効果も限られてしまいます。しかし、グリーンハウスで行なっている様な、ツールを使った対面式(生徒一人一人と講師の顔が見え)のものだと、クラスで行っているものと同等もしくはそれ以上の効果も期待されます。パソコン上のツールとして、パソコン上の白板、ピクチャーカード、CDや音楽などの音響効果、videoなどのパソコン(zoom)上のツールを操るスキルがあるかどうかで、優れた効果をもたらすことがわかりました。教室の中ではよく見えない生徒一人一人の表情も、もれなく見えます。

 

「オンライン化」によって、学習時間を効率的に短縮化できることも可能になります。それによって、生活に余裕ができ、本来お子さんたちに大切な「心身を休ませてあげられる時間」、「遊びの時間」もとらせてあげることができるかもしれません。子供たちも、もっと外で健康的に遊ぶ時間が与えられたり、土や自然にもっと触れていく生活が持てるかもしれません。これまで教育現場で行われてきた、知識を詰めるだけの教育ではなく、スタディ・ライフバランスの取れた、より健康的な生活を取り戻していけるのではないでしょうか。コロナ自粛生活が「アナログ」生活の大切さを思い出させてくれたかもしれません。

 

「真の生活の豊かさ」とは

現在に構想されている完全デジタル化未来社会の弊害について触れました。デジタルに過度に依存しない形で、人と地球に優しいデジタルを考えていく。極端なデジタル化によって副産物として生まれる管理社会は、人として一番大切な「自由」を奪ってしまう危険性を秘めています。平和な社会で育ってきた私たちにとって、「自由」の大切さを本当の意味で理解することは難しいかもしれません。

 

今後は、技術を過信せず、アナログ的な地球と人に優しい生活をサポートする位置づけとしてのデジタルのあり方として構想していくのは、どうでしょうか。このコロナ によって、私たちは、「真の生活の豊かさ」についての気付きをいただいたのかもしれません。



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