「バイリンガルを育てる方法♪」(3)第一章 バイリンガルの定義

第一章 バイリンガルの定義

まず、バイリンガルの定義について見てみましょう。バイリンガルの定義は、今なお論証されている事題ですが、以下のような意見があります。

  • 生活に支障がないレベルで足りるとする考え
  • ネイティブスピーカーと議論を交わせる程度とする考え
  • 母語レベルで複数の言語を擁する考え

バイリンガルを到達度に分けると三つに分類することができます。

  • バランス・バイリンガル (二つの言語がバランスよく高度に発達した状態)
  • ドミナント・バイリンガル(二つの言語のどちらかが部分的に発達している状態)
  • ダブル・リミティッド・バイリンガル(どちらの言語も年相応のレベルまで達していない状態)

私の考えるバイリンガルとは、1)のバランス・バイリンガルです。両方の言語を自然に使い分けることができ、母語に近いレベルまたは商業的に運用できるレベルに達していることを指します。このような人は、状況に応じてその言語で考え、絶えず表現できる力を持ちます。

日本におけるダブル・リミティッド・バイリンガル

 

現在の日本では、二カ国言語で育ったハーフや帰国子女の人たちがバイリンガルと考えられることが多いですが、実際には「ダブル・リミティッド・バイリンガル」に該当する場合も多いとされています。(ところで、今日はハーフという言葉を使うことを許してください。当人たちにすれば、もちろん「ダブル」だからです。)

特徴

  • 一文章内に複数の言語が混ざることがある。
  • 日本語も別の言語も、それを母国語とする人と比較した場合、母国語として不十分なレベルである。

原因

ダブル・リミティッド・バイリンガルが育つ主な原因として、言語の「統一性」の保持の不足が挙げられます。例えば、親が両方の言語を混ぜて使用した場合、子供は言語的に混乱し、二つの言語で十分に育つことが難しくなります。両親のバイリンガル教育に関する理解不足が根本原因として挙げられます。

 

 

バイリンガル教育で気をつけること

 

バイリンガルとして成長するためには、とくに日常生活での言語の「使い分け」が重要です。

留意点

  1. 家庭の主要言語を特に4歳以下の期間は一つに統一し、コミュニケーション力を育みながら、基本的な言語能力を養う。
  2. 外国語を学び始める場合は、発達段階を考慮しながら、状況、場面、時や場所などに対応した言語の使い分けを習慣づける。
  3. 一文章内で言語を混ぜないよう注意する。

結論

まず、ご両親のバイリンガル教育に関する理解が必要になります。環境によってアプローチの仕方には若干違いがありますが、発達段階を考慮しながら、場面や状況に合わせて「使い分け」をうまく行い、チャンポンにならないように心がけてください。これらの方法を取り入れることで、言語の混乱を避け、自然な二言語習得が可能になります。

親としては、二者択一になるのではなく、どちらのことばも大事という姿勢を示すことも大切です。特に、家庭の言語が、地域の言語や学校教育の言語と違う場合、家庭では母語を保持できるよう、母語のサポートをしていく必要もあります。

 

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